金利低下トレンドの終焉

金利低下トレンドの終焉

円債先物の月足チャートだ。2月半ば以降、北アフリカ・中東の騒乱を背景に、債券を買い戻す動きが強まったものの、1990年9月の安値(87円15銭)と、2007年6月の安値(132円01銭)を結ぶ支持線を下抜きつつある。踊―場脱却への期待がその背景だ。

 

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これまでと異なる円債先物相場の下落

ちなみに、過去4回の景気回復局面において、円債先物相場は、10円近く下落している。今回も、そのパターンになりつつあるのではないか。ただ、これまでとの違いが1つある。仮に、このまま円債先物相場が続落するならば、今回のピークは、10年9月の143円42銭であったことになる。この場合、今回のピークは、前回のピーク、すなわち03年5月の144円80銭を下回る。この25年間、景気回復のたびに、10円幅の調整を繰り返してきたが、調整終了後は、必ず、前回の高値を上抜いてきた。債券の強気相場(金利低下トレント)を確認する値動きが続いていた。

 

しかし、今回は、このリズムが崩れつつある。過去10年、あるいは20年間にわたって続いてきた日本の金利低下トレントが終焉したのかもしれない。少なくとも、テクニカル分析的には、こうした仮説を、これまで以上に意識すべきであろう。

楽観と悲観 2つのシナリオ

その場合、楽観と悲観、2つのシナリオを準備できる。

 

まず、楽観シナリオは、「デフレ脱却」である。米国のCPIコア(前年同月比)の推移だ。図1と図2を見比べてほしい。天地は逆であるが、両者は、基本的に同じ格好をしている。米国の物価上昇率の低下が、日本の金利低下をもたらしたということだ。その米国のCPIコアも昨年10月を底に、3ヵ月連続で上昇している。米国の物価も底入れした可能性がある。これは、日本にとって朗報だ。

 

そもそも日本のデフレは、2.5%前後で安定している日米インフレ格差に象徴される構造的要因と、米国のインフレ率の低下という循環的要因の「合わせ技一本」だと考えている。米国の90年代のCPIコア(前年同月比)の平均値は3.2%。一方、00年以降の平均値は2.1%である。この間の、インフレ率格差が前述の2.5%なら、90年代の日本の物価はかろうじてプラスを維持できるが、00年代は水面下に沈むことになる。構造要因の解消になお時間がかかるとしても、循環的な要因の改善は、デフレ脱却を可能にする。それを、債券相場先物は、織り込んで下落しているとポジティブに解釈できる。

 

逆に、悲観論者は、いよいよ債券市場が日本の「財政破綻」を織り込み始めたと考えるだろう。この場合、注目されるのは、ダイバージェン'ス(逆行)だ。右の山が低いのに、右の谷が深い。米国のインフレ率に連動するなら、右の山が高くてもよかった。そうならなかったのは、バブル的に債券が買われたからではなく、日本側で財政プレミアムが要求され始めているからだと解釈する向きもあるだろう。

 

ちなみに、2月16日付『日本経済新聞』の「経済教室」欄には、伊藤元重東大教授の「国債価格の急落に備えよ」という論考が掲載されていた。「市場が財政改革についての政府の意志と能力を疑い始めたら、国債価格は大きく下がることもあり得る」という話である。そして「結局、体に痛みが走らない限り、真剣に健康維持に努めないように、経済に痛みが走らないかぎり本格的な財政改革は難しいのかもしれない」と、ある意味では危機待望論になっている。債券相場が暴落すれば、さすがに日本人も財政再建に本気で取り組まざるを得ないだろうという「期待」だ。もっとも、こうした「悲観論」は、まだ相場を取昨丿巻く状況次第と言えるかもしれない。悲観論者は、債券相場が急落すると、「その原因は財政破綻にある」というコンセンサスが一気に形成されると考えている。

景況感の違いで異なる解釈

しかし、本当にそうだろうか。市場で起きている現象の理由をきちんと把握する能力が我々にあるとも思えない。例えば、ほんの半年前に「円高・無策」と煽っていたメディアが(図3)、手のひらを返したように、「円高恐怖症のウソ」(『日経ヴェリタス』)と書くのである。半年前と現在の為替相場はほぼ同じ水準である。

では、何か違うのか。景況感である。半年前は、2番底懸念におののいていた。現在は、踊り場脱却を期待している。目の前で同じことが起こっていても、環境次第で解釈は変わる。少なくとも、10円の値幅で債券相場が下落しても、景気回復期待が強ければ、当面は楽観的なシナリオに基づき、解釈されるであろう。

当面とは、円債先物で言うと、07年6月の安値(132円01銭)、そして06年6月の安値(131円65銭)を下抜けるまでの期間である。おそらく、その頃には、景気回復を北旦ふに日本の税収の回復傾向か鮮明になっているだろうが、皮肉にも、重要なチャートポイントを下回って下げに加速がっくと、その値動きに驚き、楽観論と悲観論の比率が、楽観論優位から悲観論優位へと変化していく危険性もある。

そこで、日本銀行の「信用緩和」の出番となる。信用緩和とは、パニックになった市場への「介入」に他ならない。これは、99年に日本の長期金利が2%を上回った時に、長期金利上昇を抑えるべく、日銀がゼロ金利政策を導入したのと同じパターンだ。

THE Market

ストラテジが読む「3月は上昇相場前の小休止」

 

日経平均株価は、3月上旬まで上昇するだろうが、その後は4月にかけて調整色の強い相場展開が予想される。だが、この調整はあくまでも相場の過熱感台頭や表面上の悪材料などによるものだ。実質的な景気、業績サイクルや株価尺度などを考慮すると、その後に控える大型上昇相場に向けて強気のスタンスで臨むべきだろう。

 

3月上旬以降の短期的な調整は、相場の過熱感が理由である。今回の上昇相場は昨年9月から始まっており、半年経過しているにもかかわらず、大幅な調整はまだ起きていない。景気、企業業績の予想を上回る好転で、相場はジリ高の展開となったが、高値更新銘柄はいわゆる相場の過熱感を示す統計(週間ベース)が増えている。健全な調整局面が予想される。

 

調整を見込む第2の理由は、QE2(量的金融緩和第2弾)の行方が混沌とすることである。建設、住宅、雇用を除く分野では相当な回復指標が発表され、足元では原油価格上昇によるインフレ懸念が台頭している。経済的にも政治的にもQE2の出口について議論される可能性が高い。ある一定の景気回復が起きていることから、議論の焦点はさらなる量的緩和の可能性よりも、むしろ出口への戦略に移ると予想される。6月でQE2が完全に終了するとは予想していないが、市場は一時そのようなリスクを織り込む可能性があろう。

 

3番目の理由は日本の政局の不安定化である。現時点でも予算関連法案の通過がきわめて困難となっており、今後の国会運営はより厳しさを増す可能性が高い。

 

これらを懸念材料として、短期的ではあるが値幅で調整する展開が予想される。しかし、この調整局面は今秋に向けた大きな上昇相場前の小休止局面であり、積極的なスタンスで臨むべきと判断される。@景気・業績の好転継続、A秋までQE2延長の可能性、B円安展開、C内需の好転−の4つの要因を背景に、2005年に匹敵する大きな上昇相場が展開される可能性が高い。3月の調整局面では押し目買いの戦略が奏功しよう。

 

物価上昇による消費抑制を警戒

 

エジプトやリビアなど、中東地域での政情不安が相場の懸念材料となればっている。2月中旬まで投資家の不安心理を表す変動率指数は、リーマン・ショック前の低水準まで下がっていた。リスクに備える余裕がほとんどなくなっていたタイミングだけに、当面神経質な展開となりそうだ。

 

ミシガン大学消費者信頼感指数は約3年ぶりの高い水準となり、堅調な個人消費が好感されて株価は底堅い動きとなっている。しかしながら、原油高騰を受けたガソリン価格の上昇と食料品の価格上昇は顕著で、これが長期化するようであれば、ようやく回復の軌道に乗った個人消費の腰を折る要因となろう。1月の個人所得は1%の伸びとなる一方で、個人消費の伸びはわずかに0.2%にとどまった。ここからは、貯蓄を優先する消費者の姿がうかがえる。

 

エネルギーや食料品価格は所得水準の低い人々ほど影響が大きい。小売り各社の決算を見ても、昨年末の年末商戦の結果は概ね好調だが、見通しには慎重にならざるを得ない状況である。株価の上値も限られたものとなろう。

米国市場の底堅い動きなどから先高期待は強く、売られ過ぎている銘柄やセクターへの自律反発を狙った資金流入は続くであろう。昨日東証マザーズに新規上場したリブセンスが好スタートを切ったこともFX、株式投資家の投資意欲を高めるとみられる。